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毒婦、修羅の過去

毒婦の過去。

息を吐くように

調停と言う名の地獄の底

私は泣き叫び、暴れながらも夫の車に乗せられた。

 

突っ込まれた、の方が表現的にはいいのかもしれない。

 

こいつはどこまでも「ええかっこしい」で女にブチ切れされる姿を世に晒したくのだろうなと、押し込まれた車の中でも暴れた。

 

泣き崩れ「娘に謝れ!」を繰り返した。

 

人間、ここまで怒り狂うと腹の底から妖怪のような声が出るんだなぁ、と今は思う。

 

 

夫はただ「すまんかった」を繰り返していたような記憶がある。

 

謝れば済む問題か

 

いや、この人間には謝れば済む問題かという言葉すらもったいないと思った。

 

「私の人生、返してくれ」

 

私は泣き叫ぶことに疲れ果て。

調停での出来事に疲れ果て。

もう泣き叫ぶ事もできず。

 

妖怪の声で繰り返した。

 

「私の人生、返してくれ。

 

 娘に謝ってくれ」

 

 

車を私の自宅方面に走らせた。

 

 

もう死んでくれ、頼むからお前死んでくれ

このまま車でその辺突っ込んでお前だけ死ね

 

そうずっと頭の中で唱えながら

私はもうぐったりして言葉など出なかった

 

自宅付近に車を止めた夫が言い出した

 

「これからどうするん?」

 

あえてここは聞いてやった

なんて答えるんやろな、と思って。

 

「あんたはどうするんよ」

 

 

「今まですまんかった。

 

これからは、毒婦と娘と3人でやり直したい」

 

 

 

死ねよ、こいつ。

これからは3人でやり直したい?

毒婦と娘が大事だ?

 

「なら、なぜ今までこんな事しでかした。」

 

「大事だと思うなら、なぜこんな仕打ちをした」

 

 

先日、ありましたね。

警察官が不倫したままずるずる披露宴まで行った話。

新郎側に1人も親戚がいないからおかしいと思って問いただしたら、既婚者だったってバカな話。

 

 

それと同じような事言ってましたよ。

 

「気がついたらずるずるここまで来ていた」

 

「本当は子供がいて、なかなかその子供の事を思うと、踏ん切りがつかなかった」

 

 

「私が産んだ子にはそんな感情はなかったのか?」

 

 

「すまんかった、もう俺には謝る事しかでけへん」

 

 

自分、大好きやなこいつ。

 

とは思っていたが。

 

ここまで自分大好きだったとは。

 

 

私は車から降りた。

娘に早く会いたくて。

もう家に帰って休みたかった。

 

話し合おうと何度も夫は言った。

 

 

こんなクソみたいな日に、なんでお前とまだ、まだ尚話をせなあかんねんやと。

 

3年間、息を吐くように嘘をついてきた男。

 

私はこの3年間を振り返りつつ。

「?はて?」と思っていた事が、この日を境に全ての点と線が繋がった。

 

給料日になれば、車上荒らしだのひったくりだの給与未払いになるほど会社が傾いたり。

 

保育園に入るのに書類を出したくて、籍が入っているからと父親側の書類も必要だと言われ。

その勤め先が、なぜか架空の自営会社がになっていたり。

会社に電話されたら困るからか。

 

とにかく細かい事から大きなことまで。

疑問に思った事は全ての線で結びあがった。

 

 

「あんたのやった事って、犯罪やんな?

 

これ、刑事告訴されたらあんた捕まるやつやろ?

 

捕まれや、消えてくれや」

 

 

そう言い残して私は帰宅した。

 

 

 

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