毒親と毒婦(2)
風俗の仕事をしていると、客にこんな事を聞かれる事がある。
「旦那さんはこの仕事知ってるの?」
「子供は知ってるの?」
「親は知ってるの?」
風俗の客というのは人のプライベートを知りたがるが、そんな事知って何になるのだろう。
風俗嬢を前にお互いの事を少しでも知りたい、会話のネタの一つなのかもしれないが。
初対面でいきなりこのような質問をされると
大変ゲスいなと感じる風俗嬢が圧倒的に多いと思うので
風俗店を利用する殿方がこのブログを読んでいるなら是非、このような人のプライベートに土足でチンコ丸出しで踏み込まない方がいい事をお伝えしておきますね。
話が逸れました。
私は、親の事を聞かれた時は必ずこう言っていました。
「両親は早くに亡くなりました。」
バカな客は信用して同情しますし、プライベートな事を聞いて来るバカを一瞬黙らせる事ができる回答なので私にとってはうってつけでした。
(早くに親御さんを亡くされた方、気分を悪くさせてしまいすいません)
風俗の仕事をしている時の自分は、本当の自分ではありませんでした。
実際「本当の自分ではない」証の源氏名が存在します。
店のスタッフも、同じ店の女の子も、もちろんお客さんも仕事中は源氏名で呼びます。
最初はすごく違和感がありますが、日に日にこの源氏名が自分の中で定着してきます。
それと同様、周りの女の子も源氏名で呼ぶわけですから
例えば隣に座っていた風俗嬢が「まりな」ちゃんだったとしたら
私にとっては「まりなちゃん」でしかないんですね。
本名なんて聞こうとも思わないし、まりなちゃんはまりなちゃんでしかないんです。
そして向こうも「毒婦さん」と呼べば、毒婦以上も以下もないんです。
風俗の世界は私にとって異空間でもありました。
異次元とでも言おうか。
源氏名でお仕事した事ある方なら、これなんとなくわかっていただけるかと。
私は風俗の仕事をしている時は別人でした。
別人を演じていた、という感覚ではありません。
別人に「なりきっていた」それもごく自然にと言った方がぴったりかも。
あくまで私の場合ですけどね。
私は自分の源氏名にあらゆる設定を作りました。
あまり色んな設定をしてしまうと、どのお客さんにどういう設定で接客したかわからなくなってしまうので(笑)
あらかた、設定は決めていました。
早くに両親を亡くした。
言い方は悪いですが、毒親に育てられた、そして尚且つ今も毒親に悩まされる自分の中で「親はもういない」という願望から出て来た設定でもあります。
親がもういない。
本来ならば悲しい事だし、辛い事なのに。
私にとって「親は早くに亡くなりました」は私の願望だったのです。
もっと早くに親との関係を修復できていたなら、とも思います。
ですが、気づいた時には遅過ぎました。
大人になって気づいたって、遅いんです。
私にはもう軌道修正など不可能だと思っていました。
あきらめではありません、修復しようったって無理なんですから。
断ち切るしかないんです。
これから、私が軌道修正など無理だと判断し。
これはもう「断ち切るしかない」とこの歳になって(先日40歳になりましたアハ)
決意しました。
私は、これから数ヶ月に渡って。
自分の母親との関係を、断ち切ろうとしています。