毒婦、修羅の過去

毒婦の過去。

第4回目の調停、幕を閉じる。

 

協議離婚無効確認の調停は取り下げられ。

先妻はこのまま、離婚でいいと。

当然、婚姻取り消しの方も取り下げられ。

 

その後の先妻との養育費だのなんだのの話は私は無関係なので知らない。

 

残されたのは、ただ私の慰謝料のみ。

 

調停委員に100万用意したからとっとと調停終わらせてくれ、と先に電話をしておいた。

 

相手も、100万で手を打った。

 

4回目の調停で、調停は幕を閉じた。

 

 

ここで余談だが、調停が閉幕する時の話しを。

 

 

私はこの日が最後だとわかっていたので。

ネットで先に調べたところ、担当裁判官(裁判官は最後にしか登場しませんでした)と、調停委員の前で、今回の調停で決まった事を文書にしたものを読み上げられ、間違いありませんか?と聞かれ、間違いありませんと答えて、署名、捺印、で終了、との事で。

 

別に普段着で行っても問題はないが。

 

私にとっての卒業式、そして新たなスタートという気持ちを込めて。

スーツで行った。

まぁスーツを選んだのはなんとなく、だったのだけど。

 

最後くらいちゃんとするか…みたいな。

 

 

待合室で待機していたら、調停委員に呼ばれ、こちらの部屋に。

 

と案内され、緊張が走った。

 

ドアの向こうに、裁判官らしき人。

調停委員のおっさん。

 

と、その奥に。

 

見たことのない1人の女性が、こじんまりと座っていた。

 

 

先妻だと瞬時にわかった。

 

 

き、気まず過ぎるこのシチュエーション。

 

 

私は先妻の隣に座った。

 

 

今回の調停についての結論、みたいなものを読み上げる裁判官。

 

その文の中には、私が不貞行為を認め、慰謝料を払うというものがあった。

 

 

思わず「は?」と言ってしまった。

 

 

これは後にわかった事なのだが、私は不貞行為を認めた事になっていた。

夫は「現妻は僕が既婚者と知っていて付き合っていた」と言っていたようです。

 

それは後にとある方が訪問されてから判明する事なんですけどね。

 

 

私は、不貞行為など認めていません、その一文やめていただけませんか?

と言った時、隣からすごい視線で、これが視殺かとわかるほどの視線を感じました。

 

調停委員は最終的に私も騙された事は表面上は理解してくれていただけで、実際は「この人が金さえ払えば済む」くらいの事務的な処理でしかありませんでした。

 

裁判官に「静粛に」と言われました。

 

裁判官に静粛に!などと言われる、願ったり叶ったりだわ、今だから笑える。

 

なんや、ここまで来たらもう反論も何も、どうせバックも踏まれんし。

どうだらええわ、と「ハイハイ!ハイ!」と無駄にテンション高くお返事した。

 

 

私は、100万円払いまーす!

という重々しい紙切れに。

 

署名捺印した。

 

 

調停委員が「支払いはどのようにされますか?」と言った。

 

 

今日、今から手渡しで領収切るなり。

振り込みするなり、言われた通りにします。

 

と、机の上に封筒に入った100万を置いたら怒られた。

 

 

払え言うたり、出したら怒ったり。

 

一体何やねんな、家庭裁判所て。

 

 

先妻がカバンから取り出した通帳の番号を控えた。

 

 

もう帰っていいですか?

なんか私が一番悪もんみたいになってんのん気にいらんのに、署名も捺印もした、金も言われた通りに用意した、今この足で銀行行って振り込むわ、帰っていいですかね?

 

 

私は立ち上がった。

 

先妻に向かい、深々と一礼した。

 

 

部屋を出ると、調停委員のおばはんが追いかけて来た。

 

まだ、残りの手続きがあるとやらで。

その、判決文みたいなんを郵送するから地下の売店で切手買ってこいだと。

 

いらねーよwwww

 

とは思いつつも、地下の売店に行く事に。

その時、調停委員が地下の売店まで案内するとついて来た。

 

エレベーターの中で調停委員のおばはんは言った。

 

「その後はどう?ご主人と暮らしているんでしょう?」

 

その質問は調停委員として聞いているのか、ただのおばはんとして聞いているのか?と言ったら

 

「ただのおばはんよ。

あなた、これからもわざわざ苦労の道を選ぶだなんて。

あなた、あのご主人とやっていける?」

 

やっていける?じゃなくて、やって行くんですよ。

生活費と言う名の慰謝料をこれから何年、何十年とかけて取ってやりますから。

 

「そう…頑張ってね。応援してる。」

 

にしても、私を最後まで不貞行為をした尻軽女みたいな言い方されて腹立ちましたわw

 

「まぁでも、これからは娘さんにもお父さんができるんだから、ね?」

 

意味わからんのですけどね、それが理由て。

 

 

私はその地下の売店で切手を購入した。

 

調停委員のおばはんが「ここの食堂、なかなか美味しいのよ。誰でも入れる食堂だから、今度ぜひ来てみて」とか言いやがんの。

 

二度とこんなとこに世話になりたかねーわw

 

「くそ不味しかないでしょ」

 

調停委員のおばはんに聞こえていたか聞こえていなかったかはわならない。

 

判決文の郵送手続きを終え、そのまま銀行に走り、100万円とおさらばした。

 

 

「やっと、やっと終わった…」

 

 

 

 

3人での生活

3人での生活がスタートしました。

 

私と娘が暮らしていたボロアパートに夫が身一つで戻ってきました。

 

 

娘はたいそう喜んでいました。

 

私はその娘の喜ぶ顔だけが、楽しみでした。

 

 

夫と娘が寝た後は、私はパソコンの前でひたすらネトゲしていました。

 

夫は昔のように、夜になったら仕事に行き。

翌日夕方に家に帰るというものでした。

 

私が黙ってネトゲしていると、夫は起きて仕事に行きました。

 

毎晩、仕事に行く夫に

「ほんまに仕事かいなw

ま、どうでもええけどw」

と、必ず文句をつけた。

 

死ぬまでこうやって、行ってらっしゃいも行ってもらえない地獄の日々を送れ。

 

私は復讐を楽しんだ。

 

小さな器で、汚い心で

毎日、子供の居ないところで、眠っている間に罵った。

 

「嫌そうな顔して、あんた何様?www

 

調停で知恵がついたからな、お前の事地獄の底まで追いかけてやるよ。

 

今の私の立場は本妻だ。

3人で一緒に暮らしたいんやろ?

笑えるww

てめぇとは絶対離婚しねぇからw

 

せいぜい仕事頑張って、生活費と言う名の慰謝料払え?

 

あ、勝手に私との離婚届とか出さないでねw

 

役所に離婚届不受理の申請しといたから、勝手に出されても受理されへんけどw

 

3人で暮らす地獄を選んだのはお前な、ま、せいぜい頑張れや!

 

3人で一緒に暮らしたいとかマジウケるんですけどw

なら最初からちゃんとせぇよw

3年騙すとか、人バカにしすぎw

 

ねぇ、騙さてる私や娘見てて楽しかった?

ねぇ、楽しかった?」

 

 

ちなみに、こんな罵声を毎日浴びせられる事1年くらいですかね。

 

よく耐えたと思いません?

 

私も、まぁよく殺されずに済んだなぁと今は思いますが謝るつもりも謝罪の気持ちもありません。

 

仮面夫婦の生活が続きました。

 

 

 

 

 

第3回目の調停。

3回目の調停は、夫と共に家庭裁判所へ向かった。

 

私が調停室に呼ばれ、調停委員にまず言われた言葉は。

 

「3人での生活をはじめたそうですね」

 

「今日もご主人と一緒にこちらへ?」

 

 

私は返事をしなかった。

答える必要性を感じなかったからだ。

 

 

その代わりに答えた。

 

私はこれから、生活費と言う名の慰謝料を夫から貰います。

今の夫を法で裁いても一円にもなりませんから。

それは先月、あなた方調停委員も仰いましたよね?

 

私が支払う慰謝料も、父親買収と言う名のお金ですよね。

 

いいですよ、払います。

ただ、あの人の価値を考えた金額しかお支払い致しません。

 

これから死ぬまで夫から貰う生活費を考えたらそっちの方が儲かりますから。

 

 

調停委員は呆れた顔をしていました。

 

 

あの男にして、この女ありき。

 

そんな顔に見えました。

 

 

鬼畜だとか非情だとか、こいつ人間じゃないと思われてもどうでも良かった。

 

 

結婚してから、人間扱いしてくれたのは娘だけですから。

 

私は娘さえ元気で私のそばで笑っていてくれたらそれでいい、調停中も何度も娘の事を思うと感情が込み上げて、娘のそばにいたい、娘には私が絶対必要だとわかっていても。

このまま消えてしまいたいと、何度も何度も思いました。

 

もう、私が消えてしまっても。

消えてしまったとしても、きっとこの世はなんとかなるだろうとか。

 

死んでしまえたら、楽になれる。

でも生きなければ。

死ぬか、生きるか、そればかり考えていた。

 

鬼畜にでもならなければ、正気ではいられなかった。

 

 

500万の慰謝料は100万に値下げされていた。

 

それでも100万ですよ。

 

 

確かに、セックスしました。

妊娠、出産しました。

 

既婚者とは聞かされていませんでした。

私も騙されていました。

 

 

もうそんな反論しても、意味がない。

 

 

100万円なんて貯金、ありませんでした。

自分の収入で家賃、保育園代、生活費、他諸々…何かあった時のためのお金しか置いていまけんでした。

 

その何かあった時のための現金を手放すのが怖くて。

 

 

なんとかもう少し安くはならないかとお願いしましたが。

 

聞いてはもらえませんでした。

 

 

 

私はもう、今までのような平穏な毎日を送りたかった。

ただただ、この調停と言う名の地獄の集会を終わらせたかった。

 

 

その日の調停が終わった後、私は銀行に行き。

 

 

100万円を借りました。

 

 

 

もう、私はただの言いなりのロボットで。

 

感情も何も、なくなったいたように思います。

 

ゼロスタートという名の

私はもう、何が正しくて、何が不正解なのもわからなかった。

 

 

2つの選択肢の中から

いや、もっと数ある選択肢の中から

一番正しいものを選ぶ目を持て

 

こんな状況の中、数ある選択肢の中から一番正しいものを選ぶなど。

私には自信などなかった。

 

だから投げ出した。

 

3年間逃げ回った夫のように。

 

私もこの件から逃げたい。

 

そう思った。

 

 

家庭裁判所で調停をした事がある人ならよくわかり、ご存知かと思いますが。

調停委員という人達は、大人である私達の事よりも何よりも優先するものがあります。

 

「子の福祉」

 

です。

 

いかに子供にとって一番良いか、ここに焦点を絞る場面が多々あります。

どんなに夫婦や親が、男女が、いろんな立場で物を申しても「子供」にとっていいのは何か?を考えます。

 

私が不貞行為をしたのかしなかったのかじゃないんです。

 

これからの、先妻との間の子、そして私との子がいかにこれから幸せに暮らしていけるかなのです。

 

先妻は調停2回目に「夫とはこのまま離婚でいい、もうあの人と一緒にいるつもりはない」そう言いました。

 

夫は、私と娘と3人でゼロからやり直したい。

 

そして私は

「みんなの勝手にすればいいよ。私は後妻、死ぬまで後妻。私に選ぶ権利などない。娘が父親と暮らしたいと言えばそれでいい。どうでもいい、なんでもいい。私はみんなに合わせます。」

そう答えました。

 

 

裁判所では何度も子の福祉について話をされます。

 

自然と、誰の事よりも娘の1番の幸せを考えるようになります。

 

相手のお子さんの事も勿論。

 

自分の意思など

いとも簡単に踏み潰す事はできました。

 

 

夫はみんなと暮らしたいと言っている。

娘は「とーちゃん帰ってきた」と笑っている。

裁判所はあなたがお金を払えば、先妻も新しい生活をスタートさせる事ができると言っている。

 

 

長い長い取り調べの末、私は無実だ!と無実を訴え続けたが「もう誰を信用していいのかもわからない」「何を言っても信用してもらえない」こんな状況に陥った時

 

もうどうでもええわ…

はいはい、私がやりました…

 

と、やってもいないのに「やりました」と言ってしまう人の気持ちが痛いほどわかりました。

 

 

認めたくなくても、もう認めるしか道はない

そうとしか考えられなくなるんですよ

 

監禁された人は最初は逃げようとするが、もう私は逃げられないと悟った時、逃げる事を諦める、というのを聞いた事はありませんか?

 

似たようなものだと思います。

 

 

私は全てを諦めました。

 

 

 

夫の望む通り、3人でゼロからスタートする事にし。

 

不貞行為を認め。

 

慰謝料を私が払えば済むなら、払いますと。

 

 

 

夫はその時言いました。

 

俺を愛していないなら、必要としていないなら、俺は1人になるから。

 

 

勝手なものですよね。

 

犯罪者に選ぶ権利があるなんて。

 

 

3人で暮らすと言ってみたり。

1人になると言ってみたり。

 

 

逃げ場が、選択肢がある夫が。

 

逆にとても羨ましかった。

 

 

私は夫に言った。

 

 

これからは真面目に働いて、娘を大事にしてやってください。

 

1人になるなり、3人で暮らすなり、好きになさってください。

 

 

私に選択肢はありませんから。

 

私は後釜ですから。

 

先妻とそのお子さんを最優先し。

 

次に娘の事を考えてください。

 

私はそれに従うだけです。

 

 

そもそもが、そうなんですから。

 

 

妊娠した、と私が告げた時にあなたは言いましたよね?

産んで欲しい、結婚しようと。

 

 

それを信じた私が馬鹿でした。

 

 

あなたが望む「ここにいたい」を実現させたければ、勝手になさい。

 

1人になって独身謳歌して自由になりたければ、また逃げなさい。

 

責任など全てぶん投げてどこにでも飛んでしまいなさい、簡単な事でしょう?

 

 

これまでずっと好き勝手やってきたあなたのどこを信用しろと?

 

どう信用しろと?

 

 

過去は消えませんよ。

 

あなた、一生では背負いきれない十字架を背負って生きていきなさい、と言っても。

 

その十字架も簡単にその辺に投げ捨てられる人間でしょうから、いや、そういう人間です。

 

 

ここまで言われても、私と娘のそばでゼロからスタートしたいというならやってみればいい。

 

 

その代わり、俺の事を愛しているかなんてふざけた質問しないでくださいね。

 

これからあなたと一緒に暮らす魅力は。

毎月持ち帰ってくるあなたが稼いだお金と。

たまに必要な男の力のみです。

それと、娘の喜ぶ顔です。

 

今、あなたと別れても、私があなたを逆に法で裁いても。

 

あなたからは一円たりとも取れないのもわかっていますからね。

 

これから一生をかけて、毎月私に生活費と言う名の慰謝料を払い続けてください。

 

最低限のあなたの身の回りのお世話くらいはして差し上げますからね。

 

 

一度は愛した男ですから。

 

と、もう笑うしかありませんでした。

 

 

呆れた顔をする夫の顔を見て、思わず笑いました。

 

その顔が面白くて面白くて。

 

いっそお前の事をここで殺してやりたい、みたいな顔もしていましたよ。

 

犯罪者のくせに。

 

 

 

夫よ、私が鬼畜に見えるか?

 

鬼畜にしたのは、お前だ。

 

 

 

 

 

 

 

夫との話し合い。

調停の間、間に何度も夫とは話し合った。

 

毎回私が怒鳴り散らして、死ね!

 

と言って閉幕する、なんら進展をもたらさないただの夫に罵声を浴びせる友の会、みたいになっていました。

 

 

夫はただ、罵声を浴びせられても

「すまんかった」

「やり直して欲しい」

「これからはちゃんと仕事もして

 生活費もきちんと入れる、約束する」

 

これを繰り返した。

 

 

 

一番見ていてやり切れなかったのは娘だ。

 

殆ど記憶などないはずであろう父親に、愛想をふりまき「とーちゃん抱っこ!」と抱っこを要求し。

 

ケンカはやめて〜2人を止めて〜

 

と言わんばかりに、2人の話し合いの時、娘はいつも夫の膝の上に座りたがった。

 

「とーちゃんのおひげぇー」

「とーちゃんのおみみぃー」

 

娘は突然現れた「とーちゃん」を笑顔で迎えた。

 

血は争えないとはよく言ったものだ…。

 

 

話し合いが終わり、夫が玄関に向かうと

「とーちゃんどこ行くの?」と寂しそうに言う。

 

 

もう、なにをどうしたらいいのか。

 

自分はここで、何を選択したらいいのか。

 

もう、わからなくなっていた。

 

 

もう、私が決める事もない。

 

私には、慰謝料すら払わないという事も許されない。

そうしなければ、地獄の調停も終わらない。

 

私には選ぶ権利もない。

 

もう、みんなで、勝手に決めてくれていいよ。

もう疲れたよ。

 

かーちゃんは、もう。

何もかもに疲れたよ。

 

みんな、勝手にしてくれ。

どうにでもしてくれ。

 

そして、最後に決まった事を。

私がすれば、それでいいんでしょう?

 

 

もう、何もかもどうでもよくなった。

 

ただ、私のそばに娘さえいてくれたらそれでいい。

 

泣いてばかりの私に、いつもタオルを持ってきてくれた娘。

 

かーちゃん、もう泣かないで。

もう、泣かないの!

メンメよ。

 

私は、その日から泣く事をやめた。

 

 

そして、思った。

 

 

私が我慢すれば、全ては丸くおさまるのだ、と。

 

第2回調停と言う名の地獄祭2

当時、私に請求された損害賠償の金額は

 

500万円でした。

 

 

それは、

・離婚届を偽造して勝手に提出

・不貞行為に対する慰謝料

 

という内訳であったので、当然1つ目は私は無罪なので支払う必要はない。

 

ただ、この「不貞行為」の慰謝料だ。

 

私は独身、バツイチ、離婚したと聞いていた。

婚姻届を出す時もすでに離婚していると聞いていた。

 

こう何度言っても、調停委員は

「でもね」

 

と、私に金を払えとやんわり言ってくる。

 

先妻には弁護士がついていた。

 

素人の私が太刀打ちできる相手ではない。

 

 

「あなたと別居している間、先妻はこの事実を知らず妊娠した事もあるんですよ?

まぁ…幸か不幸か初期流産で妊娠は継続できなかったんですけどね」

 

 

待て、それ私に言う理由なん?

 

 

「あなたの娘さんに父親ができるの。

 

先妻との間のお子さんから父親を奪うの。」

 

 

待て待て、待て、誰がそんな事を私が望んだ。

 

 

父親を買うと思って、ね?」

 

すごいでしょう?

調停委員はこんな事も言っちゃうんですから。

 

 

「私には貯金もありません。

 

娘と2人で、小さなアパートで暮らすのが精一杯です。

 

お金なんかありません。」

 

 

500万払えと言っているわけじゃないんですよ。

 

「当たり前ですよ、ふざけた事言わないでください、夫から毟りとればいいんじゃないですか?

 

しかも私の意見は無視されて、なんか今後は3人で暮らすような言い方しておられますけど。

私が今後、夫と一緒に暮らすなんて言いましたか?

 

そもそもの元凶は夫なのに、なぜ私がここまで言われなきゃならないんですか?

 

500万も払うつもりもありませんし、そもそも私は不貞行為はしていません。

慰謝料など払う気、ありませんから」

 

 

すると調停委員は言った。

 

 

「では、当時…

 

あなたが、◯◯さん(夫)が独身である

既に離婚していると知っていた、という事実を立証できるものはありますか?」

 

 

はっ!?

 

はっ!?

 

え、ちょー待ってwwwww

あいつが離婚した言うとったからじゃあかんの?

あいつが離婚しましたー俺独身ですーて言うてたのを信用していました、は信用してくださらないのですか?

 

それを立証できる、もの?こと?なん?

 

 

「すいません、全く意味がわかりません。

私は不貞行為などしていないと先ほどから」

 

「ですからそれを立証…」

 

「するものがあるとしたら、何ですか?

それは具体的に何がありますか?

用意できるものならなんでも用意します。

私は認めません、不貞行為はしていません。

 

立証なら、じゃあ神の前で宣言しましょう。

どこに行けば、私が無罪だと証明してくれる神や仏に会えますか?

 

それくらいあなた方は無理難題を私に押し付け

 

仕方がないからお金を払って、この調停をとっとと終わらせろ、としか聞こえませんが?」

 

 

まんざらでもない顔。

というより、

「あんた…わかってんじゃん?」て顔されましたよ。

 

 

「お金なんてありません!」

 

そう怒るように言ったら。

 

調停委員はニコニコ笑顔で言いました。

 

 

「あなたのこの源泉徴収票を見ればわかる。

 

お金を貸してくれるところはたくさんありますから、ね?」

 

 

調停委員なんて死んでしまえ。

 

 

「ひとまず今日はこの辺で。

 

500万円の請求金額を下げてもらうよう交渉しましょう」

 

当たり前やろが!!

なんでワシが金払わなあかんねん!!

 

 

次回、その慰謝料の金額を先方が下げてみるよう検討するとの返事を聞いて、その日の調停は終了した。

 

 

 

第2回、調停と言う名の地獄祭

2回目の調停の日がやってきた。

 

私は言われた通りに源泉徴収票を手に。

 

疲れ果てたクタクタの女アピールを込めて、もうこれ以上私を傷付けないでアピールも込めて。

 

スッピン、ダサダサファッションで臨んだ。

 

もはや、調停委員の言うことすら信用できないほどの人間不信だった私は。

 

ノート、ペン、ボイスレコーダーを持参して行った。

 

 

スッピン、ダサダサファッション、クタクタの私を演じる意味などなかった。

 

 

協議離婚無効の調停の話は、私の存在は既になかった。

 

残された私に対する申し立て内容

 

「損害賠償請求」

 

に、焦点が絞られた。

 

 

あなた不倫してたでしょう?

既婚者と知っていてお付き合いして、妊娠出産したと言うことは…不貞行為をなさった。

 

 

まるで犯罪者に対する取り調べのようだ。

 

 

私は、夫が「離婚した」と言ったので付き合いました。

ですが、その後離婚していない事が発覚したのですぐ別れました。

 

その後、妊娠がわかり、夫に伝えたところ。

嫁とは別れる、と言い出し、産んで欲しいと言ったのです。

 

ですが、夫の離婚がきっちり終わるまで、そういう「会話」でのやり取りしか行っていません。

 

私は、夫が「バツイチ、独身」だと思っていました。

 

 

こう、正直に説明した。

 

 

もう3年も前の事。

私の記憶も曖昧で、じゃあその話し合いはいつしたの?

何年何月何日?

とか聞かれるし。

 

知るか覚えねぇわ、と返せば(いや、もっと綺麗な言葉で)

 

時期が合わない(妊娠)だの、本当はまだ離婚できていない事を知っていたのではないか、妊娠は策略だったのではないかとも取れるような事を調停委員に言われ。

 

更に私はズタズタにされた。

 

 

自然とこぼれる涙。

 

私は記憶を辿りながら、本当の事を話しているのに。

なぜ、そこまで私を疑うのですか?

 

 

忘れもしない。

調停委員はこう言ったのだ。

 

「ご主人はあなたとこれから暮らしたいと話している。

 

あなたはこれから、お父さん、娘さんと3人で暮らせるのよ?

 

でも、先妻は?

これから子供と2人で母子家庭で暮らして行くのよ?

 

わかる?」

 

 

全然意味がわかりません。

 

それが私の不貞行為疑惑となんの関係があるんですか?

 

 

 

当時、夫は私に1回支払った100万円はどこかで借りてきたようだ。

どうやら他にも借金があったらしく、家のローンも払えないとかとにかく借金まみれになっていたらしい。

 

あなたへの生活費の送金もしなくちゃならなかったから、ご主人が今、借金まみれなのでは?と言われて頭に血がのぼった。

 

3年間の間に貰った金は100万 だ け です。

3年で100万の生活費の送金が「高い金額」と言えますか?

 

その間は私の貯蓄と収入で娘と暮らしてきました。

うちの娘は夫に何一つ、オムツ1枚買ってもらった事もありません。

 

私に生活費を継続して送金していたと夫が言っているんですか?

私は誰を信用して、誰に本当の事を話したら信用してもらえるんですか?

 

と、詰め寄った。

 

「感情論はやめましょう、時間がかかるだけですから」

 

調停委員は平等だと思っていた。

誰も信じられない。

私も1人の被害者として、話を聞いてもらえるものだと思っていた。

 

調停委員は続けた。

 

源泉徴収票を出してください。

 

 

泣きながら差し出した。

 

「あら、まぁまぁな収入ね。

 コピーさせてくださいね。

あら、勤務先…いいところにお勤めなんですね」

 

 

「正直なところ、借金の多いご主人からお金は…ね?

 

取れそうにないし…

払う気もなさそうで、とにかくあなたのご主人、何も話してくれないの。

 

あなたと娘さんとやり直したい、それしか言わないの。

 

そうなると、先妻とお子さんも新しい生活をするのにお金がいるでしょう?」

 

その資金を、私が不貞行為をを認めて損害賠償として金を出せと言う事か。

 

あそこが家庭裁判所ではなく。

その辺の喫茶店だったら間違いなく、あつあつのコーヒーぶっかけてる。