毒婦、修羅の過去

毒婦の過去。

呼び出し。

私は頭が真っ白になったまま、内診室を出た。

 

病院を出て、すぐ夫に電話した。

 

「妊娠してた」

 

「え?」

 

「で、あんたあれから離婚したん?」

 

「いや…それが…」

 

「まぁええわ、とりあえず今夜時間作って」

 

と言い、その日の夜呼び出し。

 

「もう中絶するにも週数経ってるから早めに決めろとか、そういう事言われたわ」

 

超音波写真を見せた。

 

「ほんまに俺の子なん?」

 

殴りたかった。

 

「お前以外誰がおんねん、クソか!」

 

と言ったら、あいつ頭やっぱおかしかったんやろな。

 

超音波写真見ながら泣いて「産んで欲しい」言い出した。

 

「ほんじゃこれからどうすんのんな?」と言ったら。

 

 

「ほんまに、ほんまにちゃんと離婚してくる。

もう少しだけ待ってくれ」と言った。

 

「あんたが中絶せえ言うても私はせぇへんからな。産むで。」

と返してその場は帰った。

 

 

そして数日後、夫は婚姻届を持って私のところにやってきた。

 

結婚しよう、と。

 

 

2人で婚姻届を書き、印鑑を押した。

 

抜かりない私は、夫にこう言った。

「あんたがほんまに離婚して、この婚姻届ちゃんと出すかどうか信用ならんから一緒に役所行こうや」言うたら。

 

いや、今は大事な時やし、お互いの仕事の時間もあるし、俺が責任持って出してくるから、と言った。

 

だが私はそこでハイハイなんて言う馬鹿ではない。

 

「婚姻届を提出したら、役所に受理証明書を発行してもらえる。それ貰ってきてな。」と伝えた。

 

そんなに俺が信用でけへんか?みたいな機嫌悪そうな顔をしていたが、こいつならなんかやりかねんと思い釘を刺しておいた。

 

その後、本当に「婚姻届受理証明書」なるものを片手にやってきた。

 

「これでお互い夫婦になれたな!」

と、笑っていた。

 

私はなんか笑っていいのかなんなのかよくわからなかったけど、あぁ私は結婚したんやなぁ、そしてお母さんになるんやなぁ…

 

で、これからどうすんねやろ…

 

という不安を抱えながらの結婚生活がスタートした。

 

 

広告を非表示にする