読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

毒婦、修羅の過去

毒婦の過去。

久々の面会。

娘が、2歳の誕生日を迎える前。

 

私は夫に久々に連絡を取った。

 

誕生日くらい会って祝ってやれや、と。

 

毎日の奮闘生活の中、正直こいつの存在など殆どなかった。

 

この面会を最後に、こいつとは離婚しようと思い。

面会前に私は休みの日を作り、弁護士事務所に向かった。

 

一通り話をして、調停で離婚し、養育費の事や慰謝料請求について弁護士と話し合った。

弁護士は少々苦い顔をした。

「(金を)取れればいいんですけどね」

 

そんな事はどうでもいいから、養育費の確約さえ取れて離婚できらそれでいいと思っていた。

 

娘の誕生日前日。

 

夫と久々の再会をした。

ガリガリに痩せ細った私を見てドン引きしていた。

私は「しめしめ、もう豚じゃねんだよバーカw」と思っていたが、恐らく久々に会った嫁が骸骨レベルになっていたのを見てかなりドン引きだったであろう。

 

私は「こんだけ私は苦労してる!」アピールのつもりだった。

 

久々の再会、娘はひどい人見知りをする子だったので、恐らく長らく会っていない父親に対して拒絶反応を起こすと予想していた。

 

が。

 

予想に反し、殆ど会ったことがない夫に向かって走って行き「パパー!」と抱きついたのだ。

 

 

複雑な気持ちだった。

 

その複雑な気持ちがどうにもやり切れず。

娘は父親に会いたがっていたのか?

私のこれまでの努力は?

ちょっと待って、こんな隠れキャラみたいに現れた人間にパパーと抱きつくだと!?

 

と、予想を反した娘の行動に私はとてつもないショックを受けてしまった。

 

「取られたくない、普段面倒も見ない、連絡もしてこない、金すら1円も入れてこないこいつが父親だと?んで、久々の再会でこれ?」

 

ニコニコ笑って娘を抱き上げた夫の姿を見て、なんとも言えない気持ちになり。

 

「触らんといて!もう帰る」

 

と、娘を奪うように夫から引き剥がした。

 

 

娘は「ママ?」と何度も私に呼びかけた。

 

私はそのまま、たまたまそこを通りかかったタクシーに飛び乗り、泣きながら帰った。

 

娘が「ママ、なんで泣いてるの?」と聞く。

 

何にも答えられないまま、自宅に帰ってからもワンワン泣いた。

 

会うんじゃなかった。

 

いつか、ここに帰ってきてくれるのではないか。

 

その期待が心のどこかにずっとあるのを認めたくなかった。

 

周りの当たり前のように家族団欒の風景を見ながらいつも私は娘と2人きり。

正直、そんな家族団欒が羨ましくて仕方なく、娘に「ごめんね」しかなくて。

それでも、娘は「何が?」と言わんばかりに、毎日ママ、ママと鬱陶しいくらい纏わり付き、毎日たくさん笑ってくれた。

 

一体私は何をしているのだろう…

 

もう二度と会いたくない。

離婚だ離婚だ!

 

と思いながらも、娘が嬉しそうに夫に抱きつきに走った姿が頭から離れなかった。

 

 

 

広告を非表示にする